連載.これからのライフスタイル

進化する日本の伝統産業ーARITAの取り組みー

変わるARITA
ーライフスタイルに合うデザインー


有田焼=色とりどりの彩色、梅や松のような古典的な和柄を想起する人が多いのではないだろうか。実際にはイメージを覆すモダンな器が増え、私たちの生活にとけ込み易くなってきている。 

創業400年を迎える2016年に向けて、有田では有田焼創業400年事業として17のプロジェクトを進めている。そのうちの一つ「2016/project」は柳原照弘氏、ショルテン&バーイングスをデザイナーに迎え開発された「1616/ Arita Japan」がきっかけとなった。柳原氏が「パンケーキも食べられる器を有田で作らないと」と言ったように、現代のライフスタイルに合い、これからも使い続けられるよう、用途を限定しないシンプルな形状で白またはグレー1色の器「1616/TY“Standard”」や、食器だけでなく花器など部屋のインテリアとしても使える色彩が施された器「1616/SB“Colour Porcelain”」が誕生した。価格も抑えられ、まとめて購入できる工夫がされている。 同デザイナーをディレクターに今年のミラノサローネでは16組のデザイナーと16の窯元・商社協業の新ブランド「2016/」が発表され、今秋から販売を始める。アート性の高いものとモダンかつ普遍的なデザインのものが見られる。

使って伝えるARITA
ーUSEUM ARITAー


現在有田で開催されているUSEUM ARITAでは人間国宝である「井上萬二窯、弓野窯(中島宏氏)」、「今右衛門窯、柿右衛門窯、中里太郎右衛門陶房」の三右衛門の器で実際に食事を楽しむことができ、有田焼の魅力を再発見できる。「遊ぶ」、「生ける」といったキーワードを元に有田焼の楽しみ方を提案することで、これまでの「食べる・飲む」為の器から新たな魅力を知ることができる。

昼食セット。器により食材の良さが引き立っていた。