歩ける未来を描くデザイン

あきらめない人の車いす COGY

東北大学発のベンチャー

元々は東北大学の研究室で、麻痺した足を電気刺激で動かす研究だった。 立位だと転倒の危険があった為、座位で足を動かす研究に使われたのがペダル付きの車いす。当時は80kgと重く、配線がついた複雑なモデルだった。
研究の中で、たまたま電気刺激の無い状態で足の不自由な人に乗ってもらった所、なんと動かないはずの足が動き、こげてしまったと言う。偶然の発見だった。


ユーザー目線で機能をしぼり
極力シンプル・アナログに


多くの人に使いやすい製品にするため、軽量化・コストダウンが課題だった。50社以上問い合わせ、競技用車いすを手がける千葉のメーカーへ依頼し、軽量化を実現。 ハンドルは旧海軍のゼロ戦に使われた片手で操舵するタイプを採用。左右に回すとワイヤーで後輪の向きが変わるというシンプルな構成だ。
このことで、海外でも地域の自転車屋で修理ができ、メンテナンス性が向上した。
さらに、台湾の自転車工場で量産。高品質かつコストダウンにも成功した。車いす規格に合わせることで、介護保険適用や、公共施設・交通機関でも利用できるようになり、活用の幅を広げている。

COGYに乗った人や家族は、みんな笑顔になり希望が湧くという。
自分の足を使って動く喜びを提供するとともに、画期的なリハビリ方法にもなっており、車いすの新たな可能性を拓いている。
ただの便利な移動手段ではない、ユーザーが本来どういう姿を望んでいるのか、ありたい姿を想像し描き出す力が必要だ。