雨の日が楽しみになる傘を

イイダ傘店の傘づくり

ずっと大事にしたい傘

セミオーダー方式をとっているのも、自分だけの特別な傘を長く使ってもらいたいという想いがある。サイズ、傘布、手元(ハンドル)を選ぶことで、思い入れが強い傘が出来上がる。また、傘布と親骨を固定する露先は、小さい部品だが、末端を引き締める重要な部品で、完成度の高さに一役買っている。

金属やアクリル、素材もデザインも様々な露先。

傘の骨を樹脂でなく、鉄で作っているところも特徴的だ。鉄の持つ風合いを重視しているところもあるが、修理できるという点が大きい。骨は一本づつばらせる構造になっているので、修理しながら長く使ってほしい、という飯田氏のこだわりである。手元は使用性、見栄え、収納性といった視点で、好みに合わせて数種類から選択可能。 傘布のテキスタイルデザインのモチーフに身の回りのものが使われているのも、普遍的な美を持ちつつ安心感があるという点で、長く愛される傘たる所以ではないかと感じる。

デザインは手に掛けられる手曲りタイプや、すっきりとみえるストレートのタイプがあり、素材は木(ケヤキやカエデ、柿、桜など)や樹脂を使用。

左:イイダ傘店のデザインを楽しめる著書
  『イイダ傘店のデザイン』
右:傘のオーダー会が3/11より吉祥寺でスタート
  http://www.iida-kasaten.jp/

着想から買い手に渡るまで、『色あせない傘』をこだわりぬいて作り上げている点に感銘を受けた。自分の感性で独自の世界観を表現しつつも、長く、大事に使ってもらう工夫を凝らすモノづくりを目指すことが大事である。