連載.GLOBAL EYES ON DESIGN from America

デトロイトのコワーキングスペースに見る、イノベーティブ精神の源流

人をつなぐ空間作り

TECH SHOP では、人が集い、話せるための空間作りをしている。部屋の奥まで見渡せる大きな窓ガラスでお互いの顔が見える空間に、円形の空間は、行き止まりを感じない自由な行き来の導線を作っている。円の外は通路、中は会議場になっており、人が集まりやすい構造になっている。壁面の机とホワイトボードは立ち話からの自然な小会議を生んでいる。

愛着をつくり、地域に根ざす

VILLAGE WORKSHOP は、工場のリノベーション建築が施設になっている。
19世紀の工場跡のレンガをそのまま利用し、空間のアクセントにしている。そうすることで、社会の文脈に根ざすとともに利用者に愛着や自信を持ってもらえるということのようだ。この施設も円形の構成で、中央はコーヒースタンドになっており日曜の夜でも賑わう。

今回、TECH SHOPを案内してくれたJIM氏は、来年の夏に向けてカヌーを制作中と楽しそうに話してくれた。両施設とも非常に熱心に、丁寧に説明してくれたのが印象的だった。

設備の充実度や規模感は米国ならではと感じた。今あるものごとから発想する単純な楽しさや愛着を出発点に、必要なアイデアを組み合わせて実現する新しい施設に、イノべーティブな精神の源流を感じ、その姿勢は新しいものごとのつくり方として参考にしたいと感じた。