人に代わってロボットが行うおもてなしとは

おもてなしロボットを研究している松日楽氏に聞く

人との共存、役割分担が重要

人が介在せず、ロボットや機械が行うおもてなしとはどのようなものか。2020年のオリンピックでの実用化を目指して、おもてなしロボットを開発している芝浦工業大学、機械機能工学科の松日楽教授にお話を伺った。

松日楽 信人 教授
(株)東芝研究開発センター技監を経て、2011年4月より現職。日本ロボット学会・副会長、フェロー(2013年)、日本機械学会前理事、フェロー(2004年)

ロボット技術と社会貢献をテーマにサービスロボットを考えている。人と共存して役割分担を行うのが、ロボットの当面の役割である。ロボットは簡単に作れるようになったが、現状はロボットに何をやらせるか普及の鍵になるアプリが見つかっていない。各社、普及の鍵になるような価値のあるアプリを生み出す為に模索している。ロボットを1台だけ作っても影響力はないが、100台作って動かせると市場、ソフト、インフラと広がりが出来て産業に繋がる。プラットフォームを同じ環境にして開発すると効率的に誰でも短時間でロボットの開発を行う事ができる。芝浦工業大学も参画するベイエリアおもてなしロボット研究会ではRTミドルウェア(ロボットソフトウェアプラットフォーム国際標準規格)、RSNP(ロボット通信用プロトコル)を使い開発している。仮に1人で作れるアプリは5個でも20人いれば100個のアプリができる。同じ規格で沢山のアプリやロボットを作って実証実験を行い、地域の中で課題の解決を行う事が重要だと考えている。

おもてなしロボット
写真撮影、遠隔操作、アンケート、スタンプラリー、挨拶、人数カウントができる。このロボットをベースに様々なアプリを追加していて、人を追従したり、案内するロボットも作っている。華奢に見える事で人が気遣ってくれる。人に気づいてもらう為に表情を付け、体のパネルのグラフィックも変更できるようにしている。