直観的な理解を促すサイン計画のおもてなし

サイン計画デザインの第一人者である株式会社アイ・デザインに聞く

ピクトグラムでコミュニケーション

交通エコロジー・モビリティ財団作成のコミュニケーション支援ボード。コミュニケーションのとりかかりに使い、スムーズなやり取りを支援する為のもの。

タブレット端末を活用した「ANAコミュニケーション支援ボード」。17ケ国語対応。

コミュニケーション支援ボードは元は障害のある方に向けて使う福祉用具だったが現在は海外の人にも使用範囲を広げている。駅や空港のカウンター、商業施設向けなど用途に合わせて様々なものが増えている。空港で使うものにはお客さんの顔を見てコミュニケーションが取れるように紙芝居風の作りに工夫したものもある。直観的に理解してもらいスムーズなコミュニケーションを行う為に情報を整理して伝えないといけない。最近では空港用にタブレット端末を使ったコミュニケーション支援ボードを作成した。デジタル化することで多様化や多言語化に対応することができ、整理してより相手に必要な情報のみを伝える事ができる。

ピクトグラムでのコミュニケーションには限界もある。エスカレーターを上る、降りるなどは表現が難しく矢印を入れたくなるが、矢印は方向を示す矢印と混同してしまうので不用意には使えない。そのような状況に対応する為に動くピクトも検討されている。動画は情報を多く出せるが、人は待てないので、瞬時に判断ができる工夫をする必要がある。今後は携帯端末の使用や動画での表示、また人間の心理に訴えるアフォーダンス性までも含めて、空間全体のサイン計画やピクトグラムのデザインを行っていく必要がある。

成田空港で実証実験されている動くピクトグラム。

製品が多機能、多言語化し、ユーザーへのインターフェイスが複雑化する中で、要素を省きながらより直観的に理解させるサイン計画やピクトグラムのデザインの考え方は今後製品のインターフェイスデザインを行っていく中で非常に重要な視点である。