オフィス家具から考える働く人のためのおもてなし

ユーザーが本当に求めている物を見抜く

観察から導かれる本当の気づき

「ing」に座ってみると想像以上に良く動き驚いた。姿勢が固定されない不思議な感覚だ。これまでのオフィスチェアは身体に合わせる様々な調整をし、ユーザーが座りやすい位置を探る構造だった。しかし「ing」は「座る」という概念を一旦忘れ、仕事をする為にはどんな状態がよいか、という原点からイスをリデザインしている。従来には例を見ない調節レバーが無いフレキシブルな「揺れる」

機構は、ユーザーが自分の座りやすい姿勢を自然とバランスをとりながらキープすることで、人間が本来あるべき姿、自由な体勢で座り続けることができる。 開発プロセスで大事にしたことは、ユーザーの行動観察。イスのプロが「揺れる」ことの有用性に5年以上もかけ気づくことができた。コンパクトな組織を作り、様々な仕様の試作品を何度も作ってはやり直した。繰り返し観察・検証・評価をスピーディーなサイクルで実施。その過程で試作品に揺れながら楽しそうに座っている人を見たことが採用のきっかけとなった。「揺れる」という全く新しい機構とパラメータの設計も同様のサイクルでまわし、スピーディーに実現させた。

創造的>効率的であるために

自宅の次に長く滞在するオフィス空間で心地よくリラックスして働くことで、気持ちよく

働き、気持ちよくアウトプットを出す。 これからのオフィス空間へ求められていることは創造的な生産性。それには楽しさは重要な要因。「ing」の機構は座ることに揺れる楽しさを加えることによって脳を活性化し、創造的で有用なアイデアの発想数を増加させる効果を達成。ユーザーの観察を通して、これからの働き方を考えた「ing」をきっかけに、私たちもユーザーが本当に求めているニーズを探索していかなければいけない。

シーソーのようなリンク機構で360°自在に座面が動く

行動観察を繰り返していくと本当に解決しなければいけない問題が見えてくる。それが今までの常識に反していたとしても、検証を何度も行い実績を作ることで、自信を持って本当にお客様の求めているものを作ることができる。