TOPICS 連載.GLOBAL EYES ON DESIGN from America

多様な車社会でのコミュニケ―ション

運転時のローカルマナー

アメリカで免許を取得する前、トレーニングの際に「アメリカで運転するときは、周りに流されず自分のペースを守り、意思を明確に示すことが重要です」と教えられた。

確かに、車線変更を行うときウィンカーを出せば、日本よりもスムーズに入れてくれることが多い。あくまで個人の印象だが、やりたいことを明確に示せば、尊重してもらえるというのがこちらでの運転の際に感じたことだ。
逆に、よく日本で見かけた、お礼の意味でのパッシングやハザードの点滅を見かけることはない。謝意を示すときはドライバー自身が笑顔で手を上げるなど、明確なジェスチャーで表現する。

州によって交通ルールが違い、幅広いバックグラウンドを持ったドライバーが居る場において、どちらの意味ともとれる曖昧なアクションは逆に危険なのだ。
車内外のコミュニケーションは地域や文化に

依存するところが大きいことが分かる。
また、ミシガン州の公道では自動運転のテスト走行に時折遭遇するが、制限速度で走るテストカーの後ろには、長々と車の行列ができていることがある。

人間が運転している車だと、後ろの車が加速すれば「追い越したいのだろう」と察知して道を譲ることもできるだろうが、現状の自動運転車はそういった他の車両との細やかなミュニケーションがまだ取れていない。

CESに見る
「車のコミュニケーション」


2020年1月に米ラスベガス市で開催されたデジタル技術見本市「CES」では、そんな車内と車外のコミュニケーションについて、車両メーカーだけでなく様々な出展者からの提案が見られた。各メーカーとも、どの様な意思表示を行うのが今後の車両にとって最適なのかを探っている。