ポスト・インターネット時代のインターフェースデザイン

情報世界との新たな関わり方


情報を「直接使う」


「インターネットと人との関係はまだまだ始まったばかり。スマホはインターネットの一つのインターフェースでしかない。人間の知の集合体であるインターネットをより効果的に使えるようにしていく必要がある。」と意気込む渡邊氏が取り組んでいるのは、インターネットを活用した新たなインターフェースの創出だ。


左上の作品「smoon」はインターネット上の情報を「知ること」を超えて「直接使える」ようにすることを目的として制作された、ロボット計量スプーン。「smoon」は自身でレシピ情報を理解し、材料ごとに必要な量だけをすくえる形に変形する。人は、レシピを読み、材料ごとの必要量とその単位を計算して量る、という一連の計量行為から解放され、材料をすくうだけで調理に必要な量の食材を得られる。


上の作品「Length Printer」は、Web上の長さ情報(例;家具の寸法など)を取り出せる一次元プリンター。テープを引き出すと、情報に従って自動的にテープがカットされ、人は数字を意識することなく情報を実体化できる。このように、インターネット上の情報やデータを「具現化する」というプロセスをコンピューターが担うことで、道具としての新たな可能性が広がり、人の行為を支援することにつながるのだという。