連載.modeler’s EYE

第12回 「自遊石」伊藤石材店

異素材との組合せで
石の魅力を増す


口に当たる部分は最初グラインダーで削り、サンドブラストで内側を広げ奥行きを作る。 次に縁を薄く仕上げていくことで、口元の表現やコインが詰まった感じを強調させる。 ファスナーは本物が使われており、石との接続部は違和感なく、あたかも最初から存在していたような自然な仕上がりになっている。
開き具合はあえて途中で止めている。

その理由は、作品には各々ストーリー(物語)があって、見た人に作品の背景やその先を想像してもらうため。それによって引き出せる感想の幅が広がることを狙っているのだと言う。工芸の友達と会うことや、色々な所に遊びに行ったり色々な工法を見ることが、制作への視野拡大や自由な発想に繋がり異素材との組合せに活かされている。他分野でやっていることで石屋がやってないことが多く端材でどんどん作品を作ったそうだ。