2020年に向けて進化するおもてなし

「おもてなし」を研究しているEY総合研究所 金城氏に聞く

おもてなし1.0→2.0へ

2020年五輪招致最終プレゼンテーションを機に日本の「おもてなし」が世界的に注目されるようになり、2013年の流行語大賞にもなったが、果たして「おもてなし」とは何なのか。そんな疑問を解明するべく、おもてなしを最前線で行っているサービス業の現場を通して「おもてなし」の研究を実施しているEY総合研究所の金城氏にお話を伺った。 世界経済フォーラムの「旅行・観光競争力レポートにおいて日本の国際競争力は4位と上昇しているが、「観光インフラの質」(ホテル、リゾート、エンタテイメント施設などの質)については38位と未だ不充分といえる。2020年のオリンピックに向けて、おもてなしを今一度見直し日本に再び訪れたいと思われるように、観光インフラの質を上げて国際的に評価される水準に達するように、おもてなしの進化が必要であると金城氏は語る。EY総合研究所は従来のおもてなしを「おもてなし1.0」とし今後の進化したおもてなし経営の在り方を

「おもてなし2.0」として、それを具現化させる仕組みとして「おもてなし2.0 指標」を開発している。上図のとおり、おもてなし1.0は2つの構成要素から成るが、「おもてなし2.0」は4つの構成要素から成り、「世界に開かれた」とおもてなしの質を個人任せにせず会社としてマネジメントする「暗黙知によらない」が加わっている。又、「共に創る」の部分は顧客だけでなく、従業員、地域・社会とも共創するという形に進化している。

EY総合研究所 金城奈々恵氏EY総合研究所
さまざまな業界で実務経験を積んだプロフェッショナルが多様な視点から常に変化する社会・ビジネス環境に応じ、時代の要請するテーマを取り上げ、イノベーションを促す社会の実現に貢献するシンクタンク (2017年6月取材)