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小さい本物を作る家具職人 濱田由一氏

編み方を解読

紐を繋いでいる場所がどこか、解読ができた。サークルチェアは「1本で編む」ことが難しく、どこから始まり、どこで終わるのか、紐の長さを測り、編み上げた。キャスターも

本物と同じ構造で動くように作られている。 解読できた喜びをウェグナー氏本人へ伝えるため、手紙を送ったところ自宅へ招待され本人に渡すことができた。そのサークルチェアは今でも自宅に飾られているという。

濱田 由一氏
椅子の1/5モデル製作をライフワークとし、デンマークの巨匠ハンス・Jウェグナー氏にも認められた木工職人。 木工メーカー、デザイン事務所のモデラーを経て、浜田工房を設立。 過去には飛騨国際工芸学園の講師として、木工職人の育成に従事。 家具の修復なども手がける傍ら、木工職人向けのワークショップなども開催。プロの職人が教えを請いに集う。

「出来ない」にぶつかった時、出来ない理由を考えがちだが、1からでもやり方を模索する姿勢は、本物と同じ作りを追求するという目標を貫き通す為のものだ。目標に向かって精進する姿は、いちモデラーとして尊敬できる存在だった。 1つ1つ問題を解明する姿勢が今の自分たちには欠けている。デザイナーのニーズに対応するため問題と向き合い、1つずつ解決しなければいけない事を痛感した。