連載.GLOBAL EYES ON DESIGN from America

アメリカのスマートホーム事情

日本とアメリカのエアコンの違い

日本におけるエアコンは部屋ごとに1台づつ設置するが、アメリカではセントラルヒーティングのため、地下に設置された1台のストーブの熱をファンで送風しダクトを通して家中に分配する。クーラーも同様で、屋外に1台の室外機を設置し同じダクトを使って家中に分配する。
温度管理は1つのサーモスタットで家全体の制御を行い、部屋ごとの調整は各部屋のベントの開口で行う。
家全体を暖めるのは一見非効率と思えるが、その熱で屋根の雪を溶かすため、雪の降る間は長期不在でもストーブを止めることはない。
日本と比べ機器の故障が頻繁であり、ストーブが壊れたとしても1つだけ交換すれば家全体の空調がリニューアルされるという考え方だ。住人が機器の交換もするアメリカではメンテナンスの効率の高さが合理的とされ受け入れられるようだ。

きっかけは簡単、広がりは無限大

日本のスマートホームはHEMSがシステムの中心のため、また、スマート家電の連携だけを目的としたくてもエネルギー機器の設置が前提で初期投資が高額だ。
アメリカではnestは249ドルでスマート化を始めやすい。また、各スマート機器は単品でも使用でき、さらに必要な機器を必要な時に購入するだけで連携して複合的な機能を手に入れることができる。