MaaSで描く、高齢化する街の活性化

東急電鉄が行う、日本初「郊外型MaaS実証実験」を体験調査

近年、注目のMaaS
そのニーズと課題を体験調査


MaaS(Mobility as a Service)は、ICT を活用して交通をクラウド化し、公共交通か否か、またその運営主体にかかわらず、マイカー以外のすべての交通手段によるモビリティ(移動)を1つのサービスとしてとらえ、シームレスにつなぐ新たな「移動」の概念である。
マイカーより自由な移動を安価に提供できるのため、世界が注目している。

東京急行電鉄株式会社(以下、東急電鉄)は2019年1月より日本初となる「郊外型MaaS実証実験」を開始。たまプラーザ駅周辺で4
つのモビリティ(図1中①~④)の実証を行い、住民にモニターとして参加してもらいながら、ニーズと課題を抽出している

今回、東急電鉄にヒアリングし、実際に実証中のMaaSを体験させてもらい、その嬉しさ
とニーズを探ってみた。

「街づくり」という視点での移動

東急電鉄は電車だけでなく、沿線の街の開発も担う。たまプラーザは横浜市北部に位置し、都心へのホームタウンとして発展してきた。駅開業から50年が経ち街の高齢化が進み、今後は人口減少が懸念されている。
「高齢化が進むと人が移動しなくなる。移動が減ると消費が落ち込み、街が死んでいくんです。逆に移動が活発になれば、街が活性化してくるのです」と東急電鉄の三浦氏。

住民から「坂が多いので、歩いたり自転車での移動が負担」という声は以前からあがっていたという。IoTやコネクティッド技術が進化し、やっとMaaSという手段で住民の声に応えられる時が来たという考えだ。