パラリンピック選手に聞く、大会での移動

パラリンピックスノーボーダー、小栗大地選手に聞く 

選手目線での大会中の移動

自動運転車はオリンピックの選手村などでも活用される。今回、次世代の自動運転車を考えるにあたり、平昌パラリンピック代表小栗大地選手に大会での活用方法について話を伺ってきた。小栗選手はLL1クラス(重い下肢障害)にクラス分けされ、普段の仕事や生活も義足をつけて行っている。名古屋市の三進化学工業(株)に所属し、2018平昌パラリンピック男子スノーボードクロスSB-LL1:7位 (膝上の下肢障害)に入賞の実績を持つ。

大会期間中の移動

大会中の移動は主に選手村内と選手村~競技場間に限られる。選手村内では食事や余暇施設への200~300mを徒歩で移動。
また、選手村と競技場を結ぶ選手のための観光用の大型バスがあり、移動時間は40分で1時間に1本ほど運行、海外選手も交じって40人ほどで移動する。

分単位の疲労にも気を配る

アスリートは想像以上に疲労に気をつけており、数分の疲労でも気を使う。例えば着座や乗降の際、選手村内のちょっとした短時間の移動であれば疲労のたまる義足での立ったり座ったりより、負担の少ない立ってよりかかるタイプの椅子のほうがよい。義足の負担もあるが、一般に考えるより疲労にはかなり細やかに気を使っている。

義足ならではの乗降性
アシストするバリアフリー


乗降性について義足ならではの要望がある。乗降の際、義足は足首やひざを自由に曲げられない。通常、普通の足で昇り降りを行い義足を引くかたちで段差をこえる(図1)。
従って、段差が少なくなるステップは負担が少なく、義足が引っかからない広い開口のドアはうれしい。つま先立もできないので