デザインにエビデンスを

快適を科学するテクノロジー

の検討を行っている。そのノウハウはシャワーヘッドや電動工具などに応用されるとともに、国内外の人々の好みや傾向など、数値化が進められている。


快適を科学する

「握り心地」以外にも、プロダクト解析センターでは身体負担をコンピュータシミュレーションで解析する「デジタルヒューマン」を独自に開発することで、「試作前のデザイン検証」を進めたり、「人体への生理的な影響を検証する生理評価」についても積極的に取り組み「製品の効果検証」を進めている。あいまいな人間の感覚を主観評価だけで捉えるのには限界があるが、これらの技術を活用することで、より客観的なエビデンスに基づいた製品開発が進められているように感じた。

「心」を描くプロ集団

科学的なユーザー研究を単なる研究に終わらせず、しっかりとプロダクトに結実させる力が我々の強み。市場で受け入れられるプロダクトの「解」は「ユーザーの心の解析から始まる」という言葉が印象的だった。

パナソニック株式会社 プロダクト解析センター
ユーザビリティソリューション部
日本人間工学会人間工学専門家
小川哲史部長(中央)
佐藤課長(向かって右)、阿部係長(左)
http://www2.panasonic.co.jp/aec/

小川哲史氏は「デザインにエビデンスを」というキーワードを強調されるとともに、全てに「顧客視点」だ。その姿勢と取組から生み出されたプロダクトは、グッドデザイン賞、IFデザイン賞、キッズデザイン賞、IAUDアワードなどの多数受賞を受けている。ここに学ぶべき「心」がある。今後、科学的なユーザー研究分野を勉強し、新しい分野にスピーディーに挑戦したい。