連載.modeler’sEYE

第13回 石工職人「穴太衆」

野面(のづら)積み

「穴太衆」が積む野面積みは石を加工せずに、自然石のまま積んでいくのが特徴だ。 野面積みは一見荒々しく武骨に積んでいるように見えるが、堅牢さは比類なきものがある。それは積み石の比重のかけ方で、手前(表面)から1/3の所に加重を取っている為、地震が来ても僅かなズレだけで済むからだ。また野面積みで重要になってくるのが栗石(ぐりいし)だ。地震の揺れや加重の圧力を分散する役割を持ち、水はけも良い。栗石を一つ一つ丁寧に隙間なく積み上げる事により、空洞が出来ず頑丈な石垣を築ける。

普段目にするのは表面上の積み石だが、隠れた裏側にこそ、伝承された技が潜んでおり、築城から400年経った今でも現存する石垣を見る事が出来る。