利用者に寄り添う公共トイレのおもてなし

「おもてなし」の空間を手がけるプロフェッショナルに聞く

公共トイレでの「おもてなし」とは

東京オリンピック・パラリンピックを控えるなか、海外からのお客様をもてなす場として公共空間の重要性が高まっている。公共空間の中でもトイレは欠かせないものであるが、おもてなしの観点から考えた公共トイレのあるべき姿とは何だろう。公共・商業施設のトイレの空間の設計を手がけた2人のデザイナー・設計者の方にお話を伺った。

株式会社丹青社 コミュニケーションスペース事業部に所属するチーフディレクターの町田氏。 ”SwitchRoom”は町田様をはじめとする女性3人のユニットが中心となってデザインされた。 トイレ以外にも、女性に優しいオフィス空間や、献血ルームのインテリアデザイン等を手がける。


女性に嬉しい居心地の良さ

1人目は、商業施設の内装などさまざまな空間づくりを手がける内装ディスプレイ大手:株式会社丹青社の町田怜子氏。今回は町田氏の手がけた渋谷ヒカリエの商業施設ShinQsの女性向けトイレ”SwitchRoom”に注目し、お話を伺った。SwitchRoomは、ShinQsにショッピングに訪れる大人の女性をターゲットにしたトイレだ。一見店舗ではないかと見紛う内装、そして”SwitchRoom”という名称に

Switch Roomは計6フロアに存在する。異なる客層に向けて、コンセプトもフロアごとに違っている。

は、女性がショッピングの高揚感を途切れさせることなく、むしろワクワクする気持ちに切り替えてもらえるようにする意図があるという。SwitchRoomはShinQsのフロアごとに異なる利用者層をもてなすための空間づくりがなされている。例えば、B2Fはスイーツやケーキ等の販売フロアであるため、子ども連れのお母さんを利用者層とし、それをもてなすためにベビー休憩室や授乳室を備える。