移動する感動のおもてなし空間

移動空間のおもてなしをデザインしている水戸岡氏に聞く

そこに住んでいる住人も街を意識し始め、自然と家や街に意識が向いて綺麗になっていく。

富士山ビュー特急
窓枠に額縁を付ける事で、景色を切り取り、まるで絵画のように見せる工夫をしている。


綺麗な空間に人は集まり、その街は栄えて行く。街づくり、文化づくりにはこのような視点が必要だ。
将来の事を考えた時にトータルデザインが重要だ。目に見えるものすべて、車両から家具、装飾品、調度品、グッズ、消耗品

までを一人で担当することにより一貫性を出している。手間暇をかけた最高レベルのものを大人が本気で作れば子ども達は何かを感じてくれるはず。それによって総合的で創造的なデザインができる次世代のデザイナーを育んでいくと考えている。

小物に至るまで目に触れるものをトータルでデザイン


「経済のそろばん」ではなく
「心のそろばん」をはじきなさい


デザイナーとして重要なのは、「上質な空間

を提供し、大切に使い切ってもらいたいという思いを伝えることにある」外装や内装、カラーリングや使い勝手は経営者の思いを見える化するためのものとして考えなければならない。「経済のそろばん」だけではなく「心のそろばん」もはじきながら、売らんがためのデザインではなく、利用する人の立場に立った使うためのデザイン、「美しい」ではなくて「正しい」デザイン、それらが積み重なってはじめて皆が納得し、感動するデザインができる。最後まで徹底してカタチを言語化するとそこに独創性が生まれ、結果、採算性が生まれ企業も人も成長する。デザインは理想を夢みることから始まり、理想が成長を生み、楽しさを生む。理想の話をしながら、長期的なビジョンで物事を見据えた開発を行っていくことが、豊かな文化をつくり、経済を盛り上げていくことにつながる。

素晴らしいデザインは素晴らしいビジネスを生み、素晴らしいビジネスを生むことで素晴らしい暮らしを生み出す」という水戸岡氏の仕事論はおもてなしの根本にある重要な考え方であり、今一度、「正しいデザイン」、本当に優れたデザインとは何かを改めて見つめ直さないといけない。