手を加え満足できるシェアリング

多くのシェアスペースを手掛ける成瀬・猪熊設計事務所に聞く

多様性を受け入れるおもてなし

モビリティーや空間などシェアをキーワードにしたコトが増えている。作品的な建築ではなく、社会にアプローチする方法で多くのシェアスペースを手掛ける成瀬・猪熊設計事務所に、シェアについてうかがってきた。

柏の葉オープンイノベーションラボ(左写真)は、多様性を生み出す様々なおもてなしの工夫が施されている。フロアを貫く空間は、デスク配置に工夫がある。可動式デスクがフロア手前に、固定式の多人数用が奥に行くに従って配置され、動かすときに発生する音も奥へ行くほど小さくなるよう、動と静への配慮が意識されている。照明の色温度は集中できる白色がミーティングルームに、談笑しやすい暖色をメインフロアに置き、使い分けができるようになっている。最近は紙の資料が少なくなった背景もあり、黄色い照明や暗い照明を使った居心地の良い空間を作ることが重要になってきている。